No.14 大丈夫か、日本の居酒屋

イギリスではパブが経営難で、急な勢いで姿を消しつつあるそうです。
その背景は、近年イギリスでは犯罪が増え、それに伴って酒を規制する法律ができたり、若者たちの嗜好がパブの飲み物であるビールからワインに移り、バーやカフェが新しい世代のたまり場になっていることと、飲食店での喫煙を禁じる法律ができたことが追い討ちをかけてパブに人が来なくなってしまったということです。
パブはこのままイギリスからなくなってしまうのでしょうか。イギリス好きの私には、何とも寂しい話です。

そんな話題が飛び火したように、日本の居酒屋も衰退の一途を辿っているという、非常にショックな話を耳にしました。日本の居酒屋の市場規模はこの10年あまり縮小し続けているのだそうです。
ピークだった1992年頃には1兆4,629億円の市場規模だったのが、2010年には1兆円程度にまで減少してしまっているというのです。さらに、今後10年間で2,000億円くらい減るだろうと予測されています。

にわかには信じがたい現象です。繁華街を歩くと、どんどん新しい店ができ、入ろうとしても満員で断られることがしばしばあるので、居酒屋は繁盛を極めているかのように思い込んでいましたが、事実はまったく違うのですね。日本の居酒屋は大丈夫なのでしょうか。

確かに繁華街では、席数200以上もあるような大型チェーン店の出店競争ばかりが目に付きます。店頭や街角では、『全品270円』とか、『呑み放題 1,200円』とか『最初の1杯無料』といったチラシやティッシュが配られ、声をかけられます。実に激しい集客戦争が行われています。
しかもそういう大型チェーン店がひとつのビルの中に集中してあったりしています。これはどういうことなんだと不思議に思うのですが、それはそれで理屈があるようなのです。
しかし、これでは売上高も収益力も落ち込んでしまうのは当たり前だと思うのですが、勝敗の分かれ目は何なのでしょうか。

味や雰囲気やサービスで勝負しない日本の居酒屋メジャーは完全に負のスパイラルに落ちっています。大型チェーン店の近い将来の淘汰もやむをえません。しかし、どんなことになっても個性のある、いい居酒屋は必ず残ります。

居酒屋は、イギリスのパブと同じように、日本の大衆文化であり伝統です。私としてはどこの国でも居酒屋文化が衰退してほしくはありません。
でも、日本の居酒屋の将来は暗いんだなぁと、チョッと憂鬱になりました。

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