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保健師は人生の先生

約6年前、右も左もわからず「えいやっ!」と目をつぶって出した『地域看護学.jp』が、今春の改訂第3版に向けて着々と形になってきている。最初の編集会議で編者ののたもうた「国家試験に対応する内容をすべて盛り込む方針だが、単に国試のためのテキストではなく、公衆衛生看護の視点でつくる」という言葉を「?」マークつきで聞いて「コウシュウエイセイカンゴ」とメモした頃から、前回 2007年の第2版で右と左がぼんやりわかり始め、徐々に「!」マークが増えてきた今年はきわめて視界良好。

タイトルもずばり、『公衆衛生看護学.jp』に変わる。

先生方から、保健師の何たるかをこれほどたっぷりと滋養のように注ぎ込まれ教え込まれた編集者は、ほかにいないだろう。まずそのとんでもないエネルギーに圧倒され、しゃべりの上手さと面白エピソードに息ができないほど笑い、縦横無尽の脱線ぶりと情報網、類い希なる行動力と行動半径に感心し、休みもないほどの忙しさの中で常によりよい教育に全力を尽くす姿に頭が下がった。

保健師の仕事はフェイス・トゥ・フェイス。必ず相手に会いに行って直接話をすることが基本。人を巻き込み動かし、元気にさせる作戦をいつも考えている。若き日にソノ筋の人と固い約束を交わして内緒で結核を治療した話、家中が踏み固められて通路のないゴミ屋敷を毎日1平方メートルずつ片付けて廊下を発掘した話、保健所に研修に来た若い医者を叱り飛ばした話など、迫力に満ちた武勇伝には事欠かない。

編集者だって見習わなくてはいけないぞ。

去年だったか、神田の某取次の元名物所長で、口は悪いが心優しい男性と飲んでいて、「編集者とは、自分で企画ができて、先生にインタビューができて、自分で文章が書ける人のことだよ」と言われ、深くうなずいたのを思い出す。

この人もまた先生。見知らぬ世界のドアを開けてくれる。

保健師教育に携わる先生の多くが、りりしい保健師魂の持ち主だ。長らく無料の個人レッスンを受けてばかりの私にできるのは、いい本をつくってお返しをすること。何げないやりとりの中で、大ベテランの先生の中に、かつての純粋でやさしく正義感の強い女学生の面影がちょいちょい垣間見える。

超素敵。

保健師魂に定年なし。いつまでも地域の宝であり続けてほしい。(し)

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