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2011年8月

本屋大賞を立ち上げたコアアイデア

水曜夜の新宿で、とあるセミナーに参加。博報堂ケトルで「課題解決業」を営む嶋浩一郎氏の「ニュートラル発想で課題解決!」という話を聴く。

ニュートラルとは、とらわれのないこと。有名広告代理店の従来方式である「戦略→表現→メディア→販促・ツール選択」の流れとはちがう。課題が何かしっかり見て、いかに解決するかという「コアアイデア」を少ない人数で徹底的に揉んで、「一番よく効くツボ」を見つける洗練された方法である。

ブレストで出るアイデアはすべて正しい。が、すべてのツボを一度には押せない。ただひとつのツボを選ぶ。それはテレビ広告? ウェブ? 代表者の挨拶? ティッシュ配り? 解決法が何になるかわからない。

Googleは、広告でない広告によって優秀な人材をリクルートした。その方法とは......。

first 10-digit prime found in consecutive digits of e.com

と書いた横断幕を、ハーバードだのMITだの物理や数学の問題を解くのが死ぬほど好きな学生が毎日通る駅の改札に掲げた。何やら理系心をくすぐる超難問らしい。末尾に「.com」がついているのがミソで、理系学生は、ついその謎のサイト(Googleとはどこにも示されていない)にアクセスし、苦労の挙げ句に答えにたどりつく......と、その先にはさらなる難問→チャレンジ→クリア→難問......のループが何度か続いた先にはじめて、

ようこそGoogleへ! あなたを採用します!

のメッセージが表示され、首尾よく目当ての人材獲得に成功するという仕掛け。「広告でない広告」----ニュートラル発想による課題解決の一例である。

嶋氏は、「本屋大賞」を立ち上げた人でもある。出版不況の昨今、流通事情で小さな書店では望んだ本が入荷できないことも多い。魚屋ならば仕入れ過ぎた商品の値引きもできるが、本はそうもいかない。ただ、どうも書店員は某有名文芸賞に対して不満をもつ確率が多いことを知る。ならば全国の書店員を組織して、投票で自分たちが一番売りたい本を選ばせ、それをベストセラーにしてしまおう!----これがコアアイデアを徹底的に考え抜いてたどりついたツボ。

数多い名言の一部は下記。
●「企画とは暗黙知の発見」「企画のすべては日常にしかない」(森ガール、コギャル、草食系男子の存在にはみな気づいていても、名づけた人がエライ!)
●「言語化によって自己肯定効果、追随効果、容認効果が生まれる」(「そうか、私って、コギャルだったんだ」「私もコギャルになる!」「よかった、ウチの子、コギャルなのね」)
●「社会記号化は文化と市場を生み出す」(雑誌でコギャル特集を組む、コギャル関連商品開発される、有名メディアが「コギャル現象」を取り上げる)
●手持ちの資源を最大限に活用した課題解決法は、「冒険野郎マクガイバー」、「アポロ13」に学ぶべし。

ひたすら都内の公園の遊具をみてまわる、書店の平積みの本を共通キーワードでくくる、何かと何かをつなげる、などが嶋氏のトレーニング法であるという。「200円でキャバクラ」「180円で女子大生とドライブ」など、いろんなものをしっかりみていると、大金出さなくても楽しむ方法は無限にあるようです。(し)

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