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2011年10月

かんこのベランダ菜園通信(2)

 私=(かんこ)のベランダ菜園も今年で3年目を迎えました。これまでの失敗を生かして、「最小限の手間で最大限の収穫」をテーマに、5月の連休にミディトマト1株、シソ2株、バジル5株の苗を植えました。

 昨年は「脇芽かき」をせず、茂みのように葉が広がってしまったトマトも今年はバッチリ! 毎週、こまめに脇芽を取ったので、中心の幹が太くなり上へ上へと育って、6月初めには私の背丈を超えました。その後も茎は伸び続け、重さでしなっておじぎをしてしまい、見た目はイマイチでしたが、今年は品種にもこだわって、鈴なりに実がなるタイプを選んだので、黄色い小さな花が次々に実になりふくらんでいきました。

 色づき始めたのは例年より早い6月中旬。朝採りがよいというので、土曜日の朝、その週に食べ頃のトマトの収穫を毎週の仕事に。苗から育てて赤く色づいたトマトをひとつひとつ自分の手でもいでいく時間は、何ともいえない贅沢な気分です。冷やしてそのまま食べたり、サラダにしたり、バジルと一緒にパスタに入れたりして、たった1株のトマトで、一夏十分にそのおいしさを堪能できました。大豊作だった8月には、嬉しくて鈴なりトマトの写真を「かんもし編集部」のブログにアップしてしまいました。バジルやシソも、今年は天敵の青虫やアブラムシを寄せつけず大きな葉をつけ、毎日の食卓を彩ってくれました。勢い余ってオクラを10株も植えてしまった一昨年と比べて、適量がわかってきたので3年目にしてベランダ菜園はやっと収支がプラスになりそうです。

 フードマイレージの小さい食品づくりということで始めたベランダ菜園ですが、今年は菜園だけでなく日々の食生活の中でも、毎日あたりまえに食事を安心して食べられることの有り難さ、また、食卓に食事が並ぶまでに、どれだけ多くの人の手が関わっているのかを実感することが多くありました。今も食品への不安がニュースで取り上げられていますが、こんな時こそ生産者と消費者を科学的な情報でつなぎ、双方の生活を守るために、リスクコミュニケーションの力が求められていると思います。具体的な活動に結びつけることに困難はあっても、まずメディアの情報だけに惑わされず、科学的で客観的な情報を得て、発信するということから始めたいと考えています。

〜2012年ほけもし第2回より〜

2011年10月のへそ

[日本栄養士会雑誌2011年10月号広告掲載]

「秋刀魚」と書いて「さんま」。通は目黒で食べるとか。コレステロール低下、血液サラサラ効果のある2種類の多価不飽和脂肪酸が豊富。どちらも三文字のアルファベットだが、正式名称、いえますか?

【答え】

さんまに含まれている多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)。EPA (eicosapentaenoic acid)の正式名称はエイコサペンタエン酸。DHA(docosahexaenoic acid)はドコサヘキサエン酸。いずれもn-3系の不飽和脂肪酸で、さんまやさばなどの青魚に多い。

名前に含まれる接頭辞からそれぞれの構造中の炭素と二重結合の数がわかる。EPA(20:5)は、「エイコサ(20)」が炭素数20を示し、「ペンタ(5)」で5つの二重構造が含まれる。 DHA(22:6)は、「ドコサ(22)」が炭素数22を、「ヘキサ(6)」が6つの二重結合を表している。


エイコサペンタエン酸(EPA)    
ドコサヘキサエン酸(DHA)    

1970年〜1980年代に、グリーンランドに住むイヌイットに動脈硬化や心筋梗塞が少ないことと、彼らの主食であるアザラシやクジラにEPAや DHAが多いことがわかり、関連を調べたところ、いずれも血小板凝集を抑制して血液をサラサラにする効果に加え、血中の中性脂肪(トリグリセリド)や悪玉とよばれるLDLコレステロールを減少させる効果があることがわかった。

DHAは脳に多く、脳の働きに重要であることがよく知られている。2011年9月3日に開催された日本脂質栄養学会において、「精神疾患や脳機能と脂質栄養」をテーマにしたシンポジウムで、EPAおよびDHAの摂取と神経活動、遺伝子との関連についての報告がなされた。いずれも意欲向上に関与しており、うつ状態、統合失調症などに改善効果があることが示唆された。

ところで、さんまのくだり・・・。
江戸時代、さんまは、庶民が食べる下魚とされており、ある日目黒に鷹狩りに出た殿様が、さんまの焼けるうまそうなにおいにひかれ、はじめてこれを食したところご満悦。もう一度あのさんまが食べたいと、お城に戻って所望したところ、脂も骨も抜かれて上品に調理され、前に食べたのと似てもにつかない。「どこで求めた?」「はっ、日本橋の魚河岸で」「それはいかん。さんまはやっぱり目黒に限る」----ご存じ落語「目黒のさんま」より。

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