繋がりの輪

 作文が大の苦手な私ですが、何故かご縁がありこの度リレーエッセイに初参加となりました。人とのご縁とは本当に不思議なもので(医者の世界が狭いだけなのかもしれませんが?)、同じ医師会で高校の同窓生である高津尚子先生と研究会(飲み会?)や医師会委員会でよくご一緒するようになり、そのうち大学の先輩で昔同じ研究室でお世話になり実験していた日笠久美先生と高津先生が漢方を通じての知り合いとわかりビックリ! それから漢方の勉強会を通じて土方康世先生や横田直美先生……とご縁の輪が拡大、そんなこんなでこの場に参加することになりました。こうしたご縁とは何にも変えがたい有難いもので、様々なことを教えていただいています。
 私の“繋がりの輪”をひろげるもう一つの場所として、ゴルフ場があります。会員として所属しているクラブでは、上は90歳代から下は20歳代と年齢層も幅広く、多彩な職種の方と接することで医者の世界だけでは知ることのない多くのことを教えてもらうことができます。
 一日ご一緒する中で世間話をしたりその方の職場事情などを伺い知ったり、また、ゴルフというスポーツを通じて性格や気性の新たな発見ができたりするものです。ゴルフにはハンディキャップ(HDCP)というものが定められており、これは自己研鑽するための目標となるものであり、また、其々の力量の差を埋めるためのものでもあります。このHDCPによってゴルフが唯一老若男女を問わず平等に競い合えるスポーツとなるのですが、最近このHDCPというものの考え方が変わってきました。
 HDCPとはそのゴルフコースの長さや難易度によって決められたコースレートという基準をもとにプレイヤーのスコアから算出されるもので、以前は性別や年齢に関係なく算出されていました。ところが、男女の体力差から飛距離が違うということで女性用のコースレートやHDCPが算出されるようになったのです。一見女性が優遇されているようですが、そんなことを言い出したら20歳と90歳も違うでしょう? 老若男女を問わず同じ土俵でプレーできるためのものがHDCPだと私は考えるのですが、日本ゴルフ協会からのお達しで変わってしまいました。何となくある意味では男女差別、いえいえ区別となってしまっているように思います。
 まあ、そんなマニアックな事はどうでもいいことかもしれません。皆で楽しく、スコアなど考えずにゴルフができたらいいのですが、なかなかそうはいきません。緑豊かな自然の中で四季折々の草花を眺めゆったりと森林浴気分……なんて優雅! などということはなく、命まで取られる訳ではないのにショートパット(*1)にどきどきしてみたり、思わぬ方向へ飛んでいく球に一喜一憂してしまいます。煩悩を捨てて無の境地に入れれば楽かも? と思うこともしばしばですが、きっとそれでは面白くないのでしょう。
 OB(*2)を打とうが、谷に打ち込もうが、木に当たって後戻りしようが、たまに現れるナイスショットを忘れられず、繋がりの輪を拡げるべく、また次の日曜日も朝早くからゴルフ場へ向かってしまうのです。


(*1)慣習的に30~50cm位の短い距離のパットのことで普通なら絶対入るようなものですが、時には入らないこともあるのです。
(*2)アウトオブバウンズの略で、コースの区域外とされる場所です。ここに打ち込んでしまうと2打罰となり打ち直しが必要となるつらいものです。